■青海省ってどこ?
そもそも、青海省ってどこ?というと、中国の、北西部にあります。(図右上:中国全土)
青海・チベット高原の北東部に位置し、新疆ウイグル自治区 、甘粛省、四川省、チベット自治区の四省・自治区に隣接しています。
そうそう、昨年開通した『青蔵鉄路』の青は青海省の『青』、『蔵』はチベットで、青海省から『世界の屋根』といわれる青海・チベット高原を通ってチベットへぬけています。
古くから、チベットへ抜ける陸路である「ゴルムドルート」も平行して走っていて、毎日内地⇔チベット間を多くのトラックが行き来しています。
■ゴルムド到着
で、前日夜8:45に西寧を出発した寝台列車は、西へ向かってひたすら走り、この日の朝8:30にゴルムド(格er木/ガラム)に到着。走行距離800キロ。122元(約1700円)
寝台列車は、3段ベッドになっていて、シーツなどとっても清潔。心配していた喫煙については車両の外のみで、車両内はすべて禁煙。消灯は午後10時。
初めての寝台列車体験は、去年11月の陽朔→北京の26時間。(陽朔編で紹介します・・)
疲れていたのもあって、ぐっすり眠って12時間のらくらく快適移動。
ゴルムド駅からそのまま乗っていくと、チベットのラサに到着するのですが、現在外国人はここで下車。ゴルムドには、少数民族であるチベット人、回族、土族、サラ族など多くが住んでます。
同じ電車に乗ってたのは、2人。駅前の金地賓館で参加登録。朝ごはんの麺を食べて、休憩、各装備品確認のあと、11時に西大灘へ向かって出発。(ゴルムド海抜:約2800m)
■予期せぬ災難@西大灘
ゴルムドから西大灘への走行距離は約90キロ、ゆっくり車で約2時間。途中、荒涼とした砂利と岩肌の景色が延々と続く中、唯一と思われる観光スポット「昆侖泉」で記念撮影してさらに上り、西大灘に到着。天気は曇り。
西大灘の宿泊所は、これから登る玉珠峰の北壁を眺める場所に位置し、海抜は4000m。
この日はここで宿泊して、高山症状対策適応の予定。
午後1時に到着、先に到着していたグループと一緒にお昼を。なるべくおなかを満腹にしないよう、少しずつ、そして量にも気をつけて、ゆっくり噛んでの食事。水分をまめに、そしてたくさんとるように、との指示。1日4リットルは飲んだほうがいいとのこと。(麦茶パックはご覧の通り。)酸素がこの時点で平地の3分の2しかないということで、急激な動き(立ち上がったりとかも含めて)は避けること。
午後は、先に来ていた人たちとおしゃべりしながら極力水を飲む。
午後2時。まだ大丈夫。
この日、ベースキャンプ(BC)までいけると思っていたので、なんとなくがっかりしたような、気が抜けたような。一人も知り合いがいないここより、BCにいる友人(今回ガイドを務める人たち)に会っておしゃべりしてるほうがずっといい、と思いつつ、先日の四川省・四姑娘山でも最初の夜に高山反応で頭痛に見舞われたこともあり、やっぱりここは謙虚に謙虚に。
平地と比べると酸素量が少ないので、目への影響を懸念して、この日2時間しかつけてなかったコンタクトをはずす。(今回は1日使い捨てを持参。)昼食後、テーブルを囲んでおしゃべりはするものの、がちゃがちゃいろんな音や話声がやけに耳につくのと、誰かしら次々に吸っていくタバコの煙が気になって(ちょっとかぐだけで、胸が苦しくて不快。平地でもそうだけど、ここではますます。)さらに、目の上がすご~く重くて、眠~い感じで、なんとなくぐったり。
登山時に使うハーネスの装着方法や、ロープの結び方、アセンダーの使い方の実習。
元気な人たちは、他のロープの結び方実習。(リリと、サラ族の宿泊所のスタッフたち)
17:20、ひとりふら~っと外出。ゆーっくりしたペースで散歩。まだ日は明るい。(8時半~9時くらいまで明るい。)外の空気をすってちょっとリフレッシュ。
そう。同じ海抜の高いところでも、先日の四川省と違って、ここには植物がまったくない。木もない、草もない、な~んにもない・・・(♪なんにもない なんにもない まったく なんにもない 生まれた 生まれた 何が生まれた 星がひとつ 暗い宇宙に 生まれた・・・♪ 「はじめ人間ギャートルズ」のテーマ曲)
この日は曇り空で気圧が低かったのもあり、ギューっと圧迫されているような感じ。1時間ちょっと歩いて戻る。昨日からの泊まり組みで、高山症でダウン1名。彼はずっとはきっぱなしで、顔色も悪く、顔を伏せてる状態。ずつうもまだないし、目の上が重くて眠気だけの私はまだ大丈夫かな、なんてたかをくくる。
19:40。夕食は、麺。おかずはなし。
なんとなく食欲はなし。でも、食べなきゃと思い、半碗をさらにお湯で薄めてよく噛んで食べる。周りの人たちも、あんまり食がすすんでないよう。
20:00。適応初日は、なるべく夜11時前には寝ないように、というのが彼らの常識らしいけど、目の上が重くて難儀なこと、前頭が「どくっ」「どくっと」と脈打つように痛むこと、視界の焦点もうまく合わないので、一足先に横になることにした。どっちにしろ、早く床についても、夜中に目が覚めても、眠ることにかけては自信がある。
1室3ベッド。北京からきたリリとウェイドンカップルと同室。先に横になる。
寒気、頭痛。
さっき食べた麺も体の中でもぞもぞ動いてるかんじ。
上からも下からも「きそう」な感じ。
まもなくトイレへ。下のほうからぼわっとたくさんアウトプット。
体は軽く、すこしだけすっきりして再度ベッドに横たわる。
寒い(と感じる)ので、暖房をつけてもらうとき(練炭式ストーブなので、寝るときには消す予定)、万が一のためのビニール袋が欲しいというと、大きめのカップラーメンの空き碗を二つ、バケツ代わりに持ってきてくれる。ベッド下に置くこと数分、嘔吐。続けてもう一回嘔吐。
なんとなく体は楽になった感じだけど、頭痛がやまない。ベッドの上でダウンを着て、ダウンの寝袋+上から布団をかけてるのに寒気がする。
BCの登山ガイドの友人たちとは携帯は通じず(BCだけが電波が届かない・・)、ここの適応責任者の安先生と、ここに泊まっている皆が心配して見に来てくれる。ゴルムド(海抜の低いところ)まで戻したほうがいいのではないか、と相談してる。
夜中に安先生が、ペットボトルに詰めたお湯を湯たんぽ代わりに持ってきてくれる。
これがなんとも心地よく、ここから船をこいだように眠りに落ちたり、頭痛に起こされたり・・。
漆黒。
次の日へ続く
そもそも、青海省ってどこ?というと、中国の、北西部にあります。(図右上:中国全土)
青海・チベット高原の北東部に位置し、新疆ウイグル自治区 、甘粛省、四川省、チベット自治区の四省・自治区に隣接しています。
そうそう、昨年開通した『青蔵鉄路』の青は青海省の『青』、『蔵』はチベットで、青海省から『世界の屋根』といわれる青海・チベット高原を通ってチベットへぬけています。
古くから、チベットへ抜ける陸路である「ゴルムドルート」も平行して走っていて、毎日内地⇔チベット間を多くのトラックが行き来しています。
■ゴルムド到着
で、前日夜8:45に西寧を出発した寝台列車は、西へ向かってひたすら走り、この日の朝8:30にゴルムド(格er木/ガラム)に到着。走行距離800キロ。122元(約1700円)
寝台列車は、3段ベッドになっていて、シーツなどとっても清潔。心配していた喫煙については車両の外のみで、車両内はすべて禁煙。消灯は午後10時。
初めての寝台列車体験は、去年11月の陽朔→北京の26時間。(陽朔編で紹介します・・)
疲れていたのもあって、ぐっすり眠って12時間のらくらく快適移動。
ゴルムド駅からそのまま乗っていくと、チベットのラサに到着するのですが、現在外国人はここで下車。ゴルムドには、少数民族であるチベット人、回族、土族、サラ族など多くが住んでます。
同じ電車に乗ってたのは、2人。駅前の金地賓館で参加登録。朝ごはんの麺を食べて、休憩、各装備品確認のあと、11時に西大灘へ向かって出発。(ゴルムド海抜:約2800m)
■予期せぬ災難@西大灘
ゴルムドから西大灘への走行距離は約90キロ、ゆっくり車で約2時間。途中、荒涼とした砂利と岩肌の景色が延々と続く中、唯一と思われる観光スポット「昆侖泉」で記念撮影してさらに上り、西大灘に到着。天気は曇り。
西大灘の宿泊所は、これから登る玉珠峰の北壁を眺める場所に位置し、海抜は4000m。
この日はここで宿泊して、高山症状対策適応の予定。
午後1時に到着、先に到着していたグループと一緒にお昼を。なるべくおなかを満腹にしないよう、少しずつ、そして量にも気をつけて、ゆっくり噛んでの食事。水分をまめに、そしてたくさんとるように、との指示。1日4リットルは飲んだほうがいいとのこと。(麦茶パックはご覧の通り。)酸素がこの時点で平地の3分の2しかないということで、急激な動き(立ち上がったりとかも含めて)は避けること。
午後は、先に来ていた人たちとおしゃべりしながら極力水を飲む。
午後2時。まだ大丈夫。
この日、ベースキャンプ(BC)までいけると思っていたので、なんとなくがっかりしたような、気が抜けたような。一人も知り合いがいないここより、BCにいる友人(今回ガイドを務める人たち)に会っておしゃべりしてるほうがずっといい、と思いつつ、先日の四川省・四姑娘山でも最初の夜に高山反応で頭痛に見舞われたこともあり、やっぱりここは謙虚に謙虚に。
平地と比べると酸素量が少ないので、目への影響を懸念して、この日2時間しかつけてなかったコンタクトをはずす。(今回は1日使い捨てを持参。)昼食後、テーブルを囲んでおしゃべりはするものの、がちゃがちゃいろんな音や話声がやけに耳につくのと、誰かしら次々に吸っていくタバコの煙が気になって(ちょっとかぐだけで、胸が苦しくて不快。平地でもそうだけど、ここではますます。)さらに、目の上がすご~く重くて、眠~い感じで、なんとなくぐったり。
登山時に使うハーネスの装着方法や、ロープの結び方、アセンダーの使い方の実習。
元気な人たちは、他のロープの結び方実習。(リリと、サラ族の宿泊所のスタッフたち)
17:20、ひとりふら~っと外出。ゆーっくりしたペースで散歩。まだ日は明るい。(8時半~9時くらいまで明るい。)外の空気をすってちょっとリフレッシュ。
そう。同じ海抜の高いところでも、先日の四川省と違って、ここには植物がまったくない。木もない、草もない、な~んにもない・・・(♪なんにもない なんにもない まったく なんにもない 生まれた 生まれた 何が生まれた 星がひとつ 暗い宇宙に 生まれた・・・♪ 「はじめ人間ギャートルズ」のテーマ曲)
この日は曇り空で気圧が低かったのもあり、ギューっと圧迫されているような感じ。1時間ちょっと歩いて戻る。昨日からの泊まり組みで、高山症でダウン1名。彼はずっとはきっぱなしで、顔色も悪く、顔を伏せてる状態。ずつうもまだないし、目の上が重くて眠気だけの私はまだ大丈夫かな、なんてたかをくくる。
19:40。夕食は、麺。おかずはなし。
なんとなく食欲はなし。でも、食べなきゃと思い、半碗をさらにお湯で薄めてよく噛んで食べる。周りの人たちも、あんまり食がすすんでないよう。
20:00。適応初日は、なるべく夜11時前には寝ないように、というのが彼らの常識らしいけど、目の上が重くて難儀なこと、前頭が「どくっ」「どくっと」と脈打つように痛むこと、視界の焦点もうまく合わないので、一足先に横になることにした。どっちにしろ、早く床についても、夜中に目が覚めても、眠ることにかけては自信がある。
1室3ベッド。北京からきたリリとウェイドンカップルと同室。先に横になる。
寒気、頭痛。
さっき食べた麺も体の中でもぞもぞ動いてるかんじ。
上からも下からも「きそう」な感じ。
まもなくトイレへ。下のほうからぼわっとたくさんアウトプット。
体は軽く、すこしだけすっきりして再度ベッドに横たわる。
寒い(と感じる)ので、暖房をつけてもらうとき(練炭式ストーブなので、寝るときには消す予定)、万が一のためのビニール袋が欲しいというと、大きめのカップラーメンの空き碗を二つ、バケツ代わりに持ってきてくれる。ベッド下に置くこと数分、嘔吐。続けてもう一回嘔吐。
なんとなく体は楽になった感じだけど、頭痛がやまない。ベッドの上でダウンを着て、ダウンの寝袋+上から布団をかけてるのに寒気がする。
BCの登山ガイドの友人たちとは携帯は通じず(BCだけが電波が届かない・・)、ここの適応責任者の安先生と、ここに泊まっている皆が心配して見に来てくれる。ゴルムド(海抜の低いところ)まで戻したほうがいいのではないか、と相談してる。
夜中に安先生が、ペットボトルに詰めたお湯を湯たんぽ代わりに持ってきてくれる。
これがなんとも心地よく、ここから船をこいだように眠りに落ちたり、頭痛に起こされたり・・。
漆黒。
次の日へ続く
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by xingxingsing
| 2008-04-28 18:44